算数出来る子の親がしていること
~著者の大迫ちあき氏は、自ら学習塾を主催し、「算数ができる子」の親について、2つの共通点をあげています。~
空手の稽古に置き換えると良く理解できます。…以下抜粋(一部編集)
●これがむずかしい! 第一のポイント「待つ」多くのご家庭を見てきて気づいたことがあります。算数ができる子をもつ親御さんには共通点があるということです。
どんな共通点かと言うと、まず、1つ目は、「待つ」ということです。
子どもが黙って「うーん」と考えているとき、「固まってないで早くやりなさい」と言ったり、我慢できなくて「ここがこうでしょ」とすぐに手と口を出してしまったりした経験はありませんか?
考え込んでいるとき、子どもは一生懸命、脳を使っています。脳を使って考えているときに話しかけるのは、「考えてはいけません」と言っているのと一緒です。お子さんに思考力をつけたかったら、「どうすればいいと思う?」「どうしてそうなるのかな?」と問いかけて、しばらく無言で待ってあげましよう。
「待つ」って本当に大変ですよね……。口ぐせというより、無言、ということですから。
でもそうすると、子どもは「ああ、考えるってこういうことなんだ」「頭を一生懸命に使うことなんだ」とわかってきます。
考えている間は親もジッと我慢です。しばらく様子を見ていて、「これはどこから手をつけていいのかわからないんだな」「どう考えたらいいのかわからないんだな」となったとき、そこで「こういうふうにやってみたら?」「これはこうやったらどうなると思う?」と、導く手助けをしてあげてください。
あくまで、「導く」のですよ。お母さんが「待つ」ことができると、子どもは自分の頭で「考える力」をつけていきます。
・NGワード:「まだ?」「固まってないで早くやりなさい」「ここはこうするんでしょ?」
・OKワード:「少し考えてごらん」「どうすればいいと思う?」
●第二のポイントは、ほめるハードルを下げる
それから、第二のポイントは、ほめるハードルは極力低くしてあげることです。
ほめるの基準を「100パーセントできたとき」に設定してしまうと、正解でなければほめてあげられなくなります。
ほめることがむずかしくなって、ほめる回数も少なくなります。ほめる回数は、自信とやる気度数に直結しています。
子どもが「できた!」と喜んでいるのに冷ややか~に「それぐらいで喜ばないの」と水を差したり、できたことを「まだまだ」と言わんばかりにほめてあげなかったり……。
こういうお話をすると、ときどき、「先生、うちの子はほめるところがありません!」なんてびっくりするようなことを言われるお母さんがおられますが、そんなことは絶対にありません。
「そんなにほめたら、いい気になって天狗になります」と言われる方もおられます。でも、そのうち天狗の鼻は折れますから、しばらくの間だけでも高くしてあげてもいいのでは?
これでは、子どもと「喜びの共有」をすることもできませんよね。
ですから、完璧にできることを目指さないで、50パーセントできたらほめてあげましよう。
100パーセントを50パーセントに下げるだけで、ほめられるところがいっぱい見つかります。
そもそも最初から100パーセントできる子はいません。
お母さんが期待していたレベルに達しないことだっていっぱいあります。
それでも「できた」ことは、できたことです。親の目からしたら物足りなくても「すごい! がんばったね!」と言ってあげてほしいと思います。
取り組んでいる最中も、できているところを見つけて、「ここまではできているよ!」と、たくさんほめ言葉をかけてあげましょう。
「もっとやりたい」「もっとできるようになりたい」の「~~たい」という思いが強くなっていきます。だから、ハードルを下げてお子さんをたくさんほめてあげてください。この2つを大切にするだけで算数ができる子になっていくのですから、そんなにむずかしいことではないですよね?
・NGワード:「たいしたことないわね」「まだまだだわね」「うーん、半分くらいの出来?」「まあ、ふつうかな」
・OKワード:「よくできてるね」「集中してがんばっていたね」
成果よりも、努力を誉めてあげると、努力することの大切さが理解できるそうです。心がけて指導したいと思います。