鍛錬
鍛練
宮本武蔵は著書(五輪書)の中で、「鍛練とは全身を意のままに動かせるようにすることが目的。」…と言っています。
「練る」という言葉には「人格を練る」や「技を練る」という用法がありますが、もともとは粘り強くするという意味で、硬いものを一度柔らかくすることを通して、しなやかな強さを出すための手法です。
伝統型であれば、ただ動いていれば稽古になるというものではなく、同じ動作の繰り返しの中で目的意識を強く持ち継続して行うことが大切です。
動作中は、自分の「心や体」がどうなっているかを感じるようにします。
また、相手がいる組手稽古なら、自分と相手との距離(間合い)や体勢や心理がどのようになっているかを感じながら行うようにします。
つまり鍛練とは、何も考えずに言われたことをただ繰り返すという作業ではなく、自分の頭と感覚を使って一回一回工夫しながら、実行、検証し続けるという強い意志と行動力という意味が含まれているのです。